- 信長の凄味
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司馬遼太郎の「坂の上の雲」は4巻の佳境へ。戦略性の乏しさから露西亜軍の要塞である旅順を一向に陥とせない乃木少将の部隊が散々に描かれています。しかし参謀の無能さゆえに、何万人もの尊い命が無駄に犠牲になるという恐ろしい実話、これも企業経営にもあてはまる教訓とも言えますね。
途中、日本軍に対して数では勝っているのに、総攻撃をかけてこない露西亜軍について、「敵よりも2倍ないしは2倍半の兵力・火力を持つにいたらなければ攻勢に出ないという作戦習性」として、信長を引き合いに出して下記のように書いています。
敵よりも大いなる兵力を結集して敵を圧倒撃滅するというのは、古今東西を通じ常勝将軍といわれる者が確立し実行してきた鉄則であった。日本の織田信長も、わかいこのろ桶狭間の奇襲の場合は例外とし、その後はすべて右の方法である。信長の凄味はそういうことであろう。かれはその生涯における最初のスタートを「寡をもって衆を制する」式の奇襲戦法で切ったくせに、その後一度も自分のその成功を自己模倣しなかったことである。桶狭間奇襲は、百に一つの成功例であるということを、たれよりも実施者の信長自身が知っていたところに、信長という男の偉大さがあった。
深いですね。
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